
メサイア合唱団の第23回公演
2014年12月2日(火)に行なわれた第23回メサイア公演の様子がUstreamの動画でご覧いただけます。
●2014年・第23回メサイア公演
日 時 | 2014年12月2日(火) 午後6時開場 |
場 所 | キリスト品川教会礼拝堂 |
全席指定 | A席2,700円 S席3,000円 |
指 揮 | 藤本 敬三 |
ソプラノ | 日比野 幸 |
アルト | 愛甲 久美 |
テノール | 土師 雅人 |
バス | 青戸 知(当日変更) |
パイプオルガン | 筒井 淳子 |
チェンバロ | 寺村 朋子 |
トランペット | 小泉 貴久/鳥越 洋 |
ティンパニー | 高橋 泰生 |
※詳しくはチラシをクリックしてPDFファイルをご覧ください。
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教会の礼拝堂で行うメサイア
品川教会のメサイア合唱団は、1992年12月3日に第1回の公演を行いました。その時以来、回を重ねています。当初は、いったいどのくらい続くものかと思っておりましたが、公演を終えるたびに、また来年も歌いましょうと言ってくださる団員が多く、そういう声に励まされて、一年一年、回を重ねて参りました。一時期、団員が増えて舞台に乗り切れないのではないかと思ったり、入場者が多く、入りきれなくなることもあって、もっと広い会場でと考えたこともありましたが、この礼拝堂で歌うという基本を崩さずに来ました。礼拝堂こそメサイアを歌うに最もふさわしい場所であると考えたからです。
例年この公演は、教会の暦でアドベントと呼ばれる時期に行います。アドベントとは、「来臨」という意味です。2000年前にイエス・キリストが馬小屋の幼子として来てくださったことを思い、世の終わりに再び来てくださることを新たな思いで待ち望む、そういう時期です。教会ではこの時期、クリスマスの飾り付けをし、クリスマスを祝ういろいろな集会が持たれます。その最初の行事が、このメサイア合唱団の公演です。
メサイアとは、ヘブライ語のメシアの英語読みです。メシアをギリシャ語にすると、クリストス、つまりキリストになります。神さまとの深い交わりの中で生きるように造られたわたしたち人間が、そこから逸れて、本来の人間の姿を失ってしまったという現実からわたしたちを救い出すためにこの世に来てくださった方、それがメサイア、キリストです。合唱団の歌声を通して、その出来事が示す恵みと喜びを、心深く受け止めていただければ、幸いです。
(牧師:吉村和雄)
ヘンデルのメサイア
ヘンデルがこの作品を完成させた1738年は、彼にとって最も苦しい時期でした。53歳の彼はオペラの経営にいきづまり、健康を損ね、ロンドンを離れて治療するまでに追い込まれたのです。そしてようやく回復した彼が新しく目をむけたのが「オラトリオ」の分野でした。以前、オペラ《サウル》の台本を提供したジェネンズ(1700-1773)が作成した台本に基づいて作曲されたのが《メサイヤ》でした。
《メサイヤ》は三部から成り、第1部・預言と降誕、第2部・受難と贖罪、第3部・復活と永世となっています。「メサイヤ(救世主)」であるキリストの生涯を描いていますが、この作品は、ヘンデルの他の宗教的題材を扱ったオラトリオとは、はっきりと異なった性格を持っています。キリストを描くとはいっても、キリスト自身は登場しないのです。預言者の言葉、天使の歌声、群集の叫び、讃美の歌声などによって、救い主の存在を浮かび上がらせていくのです。
数多くのオペラ作品を創作したヘンデルならではの劇的表現が随所に見られますが、それは単なる劇的効果にとどまらず、深い信仰的感動を伝えているといえましょう。こうした信仰的感動が、イタリア的ないきいきとした表現で訴えてくるところに、現在もなお多く演奏される理由があるのではないでしょうか。
(メサイア指揮:藤本 敬三)